11号帆布の縫製について
厚手で非常に丈夫な生地で、船の帆にも使われていたといわれている「帆布(ハンプ)」。
帆布は、その丈夫さからバッグに使われることが多く、
新生活が始まる春先には、人気の高まる生地の一つです。
ただ、厚くて丈夫な生地であるが故に、生地の重なる枚数が増えると
ミシンが進みにくくなるため、縫製に苦労したという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、生地の森の11号帆布は、一般的な家庭用ミシンで、
どの程度縫うことができるのか、色によって違いはあるのか、
水通しをしたら縫いやすくなるのか等、検証をしてみました。
検証内容
①ミシン針14号で縫ってみた
②ミシン針11号で縫ってみた
③生地の色違いを縫ってみた
④水通し後の生地を縫ってみた
【使用生地】11号帆布ヴィンテージ【使用ミシン】ブラザーMS201(重さ4.5kg)【使用糸】60番
①ミシン針14号で縫ってみた
まずは、ミシン針14号(厚地用)を使用して、生地の枚数を 2枚、3枚、4枚… と
1枚ずつ増やしていき、どこまで縫えるか試してみました。
2枚、3枚くらいまでは順調だったのですが、4枚あたりから、
ミシンが悲鳴を上げ出し、5枚は縫うことができませんでした。
②ミシン針11号で縫ってみた
次に、ミシン針を11号(普通地用)に変えてみてどのくらい縫えるのか試してみました。
11号帆布は十分厚い生地なので、14号針を使うのがベターかと思いましたが、
11号針の方が針が細いからなのか、生地の隙間に針が入りやすい感じがしました。
14号針では、4枚しか縫えなかったのが、11号針では何とか6枚までは縫うことができました。
③生地の色違いを縫ってみた
キナリは、染色をしていない帆布生地でしたが、
染色をしているレッドでは、縫うことができるのか?
針が刺さる感じは、キナリもレッドも、それほど違いはないかなと感じました。
縫える枚数も、6枚までは何とか縫うことができました。
やや糸が飛んでしまっている部分もありますが…
④水通し後の生地を縫ってみた
では、生地を水通しをしたら、縫製はしやすくなるのか?
キナリの帆布を30分程水に浸し、手で軽く絞り、陰干ししたものを縫ってみました。
針は11号を使いました。
始めに2枚を縫った感じは、水通ししていないものと比べ、針の入りがやや硬いと感じました。
5枚までは縫うことができましたが、6枚は縫うことができませんでした。
ただ、新しい針に換えたら縫うことができました。
検証結果
まとめると、以下のような結果となりました。
・当店の11号帆布には、針が細い方が枚数がたくさん縫える。
・色によって多少縫いやすさ、縫いにくさはある。
・水通しをすると目が詰まるため、やや縫いにくくなる。
ご注意いただきたいのが、
ミシンは、重量のあるミシンほど馬力があるといわれています。
今回使用したミシンは、重量が4.5kgほどの比較的コンパクトなミシンでした。
もっと軽いミシンや、もっと重いミシンでは、同じ結果になるかは分かりません。
あくまで、このミシンでの結果として参考にしていただけますと幸いです。
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