こんにちは生地の森です。
風にそよぐ木々の緑が眩しく、日に日に初夏のような陽気に変わっていくと、天然素材の綿や麻の自然な風合いの生地はとっても心地良く感じます。
最近では、綿や麻の天然繊維の中でも、「綿レーヨン」や「リネンレーヨン」といった「レーヨン混」と言われるの素材が注目されています。
それは綿や麻のもつナチュラル感と、レーヨンの特徴である「ドレープ性」(とろみ感)が溶け込み、これまでにない風合いと魅力が高まっています。
でも「レーヨン」と聞くと、なんだか家庭でのお洗濯はちょっと難しそうなイメージですね。
たしかに「レーヨン」は水に弱く縮みやすい素材です。
うっかり家庭でお洗濯をしてしまうと、サイズが変わってしまうほど大きく縮んでしまうことがあるので要注意です。「レーヨン100%」素材のものは、家庭でのお洗濯は難しいので、クリーニングに出すことをおすすめします。
しかし、レーヨンと綿や麻の天然繊維が混ざりあった生地は、綿や麻などの繊維製品と同じようにお洗濯が出来るのかと気になります。
そこで、当店の「生地の森オリジナル「レーヨン綿サテンナチュラルダイド」をご紹介。さらに、この生地を使って、お洗濯でどのような変化が見られるかを実際に試してみました。
① 生地の特徴
② 生地の取扱いについて
③ 生地の注意点
④ まとめ
「生地の森オリジナル レーヨン綿サテンナチュラルダイド (IN50675)」
① 生地の特徴
この生地は レーヨン63%コットン37% とややレーヨンの方が多い混率です。
まず、名前だけを聞くと「レーヨン」や「サテン」は、とろんとした風合いで、つるんとした光沢をおびた表面がきれいな生地と、イメージを持つかと思いますが、この「レーヨン綿サテンナチュラルダイド」はレーヨンやサテンが持つ既成概念を覆す、きれいめなイメージとは反した、特別な特徴を持っています。
一般に大量生産で作られる生地の品質では、染めムラやシワといったものは無いものが正品とされ、天然素材は染めムラやシワなどがおきないように、強力な薬品を使って表面を均一にし、加工処理をおこないます。均一に保たれた生地はシワムラもないきれいな面の生地に仕上がります。
しかし、わたしたちが作る生地は、天然素材の本来の持ち味に着目し、強力な機械や薬品を使わずに手作業の多い工程で行なっていきます。
天然素材本来の特徴を生かすことにより、不均一に現れる染めムラやシワ感が豊かな表情を引き出し、独特な雰囲気の素材感を創り出します。
この「レーヨン綿サテンナチュラルダイド」の生地も、ふっくらとあたたかみのある独特な面感が特長的に現れています。
特にサテン地の表面にランダムな染めムラが、程よい光沢感と相まって、まるで古びたアンティークな趣きを感じさせます。
色によってもムラ感やシワ感の見え方も異なるのと、一般的なサテンやレーヨンのきれいめな生地を想像されますと、お手元に届いてからイメージと違ったという相違が起きかねますので、まずは生地サンプルで実際の目でお確かめいただくことをお勧めします。
生地サンプルはこちら
↑モニター様の作品
(IN50675 レーヨン綿サテンナチュラルダイド マスタード)
②生地の取扱いについて
この生地を販売してから、お客さまから生地の取扱いについてよくお問い合わせを頂きます。手作り、ハンドメイドされる場合は、失敗は避けたいと慎重になりますよね。レーヨンが入っているのに洗濯はできるのか?とか、水通ししても大丈夫なのか?等々。
そこで、水通しやお洗濯が可能なのか、水に対してどういう変化をするのかを、実際に「レーヨン綿サテンナチュラルダイド」でに試してみました。
※あくまでも当店の生地のことになりますので、他の「レーヨン混」にも共通するとは限りませんので予めご了承ください。
混率:レーヨン63%コットン37%
生地の縮み率が図れるように、10㎝×10㎝の正方形を書きました。
念のため、レーヨンが水に弱いということを意識して、さらす時間は1時間弱にしました。
陰干しして、半乾き後にアイロンで整えていきます。
アイロンの温度は低~中温位。
アイロンを当てる際やや白くなるので裏から当てるといいと思います。
余分なシワも消えてフラットな状態に仕上がりました。
水通し後の変化について
タテ方向に-0.3㎝~-0.5㎝ 縮率は約3%~5%
ほぼ綿や麻(リネン)の天然素材に見られる縮率の範囲でした。
陰干し後はシワがより若干斜行がおきましたので、アイロンで整える際は、タテヨコ方向に少しづつ引っ張りながら、地の目を整えるとよいです。
風合いは水通ししてない生地と比べると、トロンとしたレーヨン特有のとろみ感がやや減ったように感じます。
水通しによって、縮率は気になりませんでしたので、縮率による歪みなどが気になる方は、はじめに水通しして地直ししても良いと思います。
ただ、最初のようなレーヨン特有のトロンとしたなめらかな風合い感が好きな方は、水通しや水でのお洗濯は避けていただいた方が、風合いをずっと保てるかと思います。
③ 生地の注意点
・染色加工の特性上、生地表面に不均一なシワや色ムラが見られます。
・加工においてなるべく機械や薬品を使わずに仕上げてありますので、ロット間で色味や風合いに多少のばらつきが生じます。買い足しの際はロット違いによる色味や風合いの差異がありますのでご理解ください。
・染色加工の特性上、多少の色落ちが起こります。お洗濯の際は単独でお洗いください。
・水洗いにより若干の縮みが生じます。
・アイロンを強く当てると白化(白くテカる)しますので、当て布をご使用ください。(温度は中温)
④ まとめ
この生地の森オリジナル「レーヨン綿サテンナチュラルダイド」は
あえて染めムラ感やシワ感を残し、味わい深いアンティーク感を表現しています。
一般にレーヨンやサテン生地に、きれい目でエレガントなイメージをお持ちの方は生地特徴の差異がありますのでくれぐれもご注意ください。
水通しや水洗いは可能ですが、生地は強い摩擦に弱い為、長時間の浸水と脱水は生地を傷める原因になります。生地の風合いを長持ちさせるには、頻繁な水洗いよりもドライクリーニングでのお手入れをお勧めします。
あくまでも当店の生地に関する記事になりますので、「レーヨン混」生地のすべてものに当てはまるものではありません。
こちらの生地の商品詳細はこちら
レーヨン綿サテンナチュラルダイド
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