こんにちは 生地の森です。
皆さまゴールデンウィークはいかがお過ごしだったでしょうか。前半はすっきりしない天気が続きましたが、中盤からはお出かけ日和も増え、楽しく過ごされたことと思います。過ごしやすい季節とはいえまだまだ天気や天候も安定しないようですので、お体にお気を付けてお過ごしください。
さて今回は季節を先取りしまして、これからやってくる梅雨シーズンに向けて生地の森の素材の事をお話ししていきたいと思います。
梅雨の季節は蒸し暑くジメジメとした日が続きますよね。このような時期は気温も気候も読みずらいので通気性や速乾性もある素材が最適。そこでおすすめなのが麻の素材というわけなのですが、その中でも「ラミーリネン」が最もおすすめな素材ではないかと思います。
そこで生地の森の「ラミーリネン」について特徴などを合わせてご紹介させていただきたいと思います。
〈目次〉
- 「ラミーリネン」とは?
- 衣料用に適した「ラミー」と「リネン」
- 「ラミー」と「リネン」それぞれの特性から分かる「ラミーリネン」
- 生地の森の「ラミーリネン」の品質の秘密
- 生地の森オリジナル「ラミーリネン」の種類
「ラミーリネン」とは?
「ラミーリネン」とは「ラミー」と「リネン」2つの麻の種類が混ざり合った繊維や生地の総称です。
「ラミー」とは麻の一種で、苧麻(ちょま)というイラクサ科の多年草の草木類の植物の茎からの繊維。「リネン」とは麻の一種で、亜麻(あま)という一年草の草木類の植物の茎の靱皮から採った繊維をフラックスといい、そのフラックスで作った糸や布のことを「リネン」といいます。
それら2つの麻の種類が混ざり合い、それぞれの良い所を活かした素材と言えます。
衣料用に適した「ラミー」と「リネン」
「麻」には、大麻草(ヘンプ)、亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、黄麻(ジュート)、サイザル麻など20種類以上の種類があります。すべて全く別の種類の植物で適した生育環境も異なります。
麻の繊維は植物の茎の繊維部分から生み出されますが、このうち衣料用として用いられる麻は「ラミー」と「リネン」が代表的なもので、家庭用品品質表示法においても、麻という表示を使用できるものは、「ラミー」と「リネン」の2種類に限定されております。
「ラミー」と「リネン」それぞれの特性から分かる「ラミーリネン」
「ラミー」 ・繊維が太く長い。(天然繊維の中では最も強い) ・天然繊維の中、最もシャリ感がある。 ・涼感があり、腰がある。 ・水分の吸収、発散性に優れている。 ・色は白く、絹様の光沢がある。 ・強力は天然繊維中最も強い |
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「リネン」 ・繊維は細く、短い。(しなやかさのモトになっています) ・しなやかで綿に近い風合い。 ・涼感はラミーに次ぐ。 ・水分の吸収、発散性はラミーに次ぐ。 ・色はリネン特有の黄味がかった色(亜麻色)がある。 ・強力はラミーに次ぐ。 |
簡単にまとめると「ラミー」はシャリっとした質感でハリこしがあり、吸湿性、吸水性に富んでいます。「リネン」はしなやかな質感で、綿のような柔らかさがあります。
「ラミーリネン」は、「ラミー」と「リネン」のお互いの良いところをバランス良く融合させることで吸湿性や吸水性の良さはもちろん、シャリッとした触感でさらりと肌離れの良さと、しなやかでソフトな弾力のある柔らかい風合いが特徴的です。じめじめとした梅雨の季節、汗ばんだ肌にも肌ばなれよくさらっとした着心地。そして湿気ても発散性がよいので乾きが速い。「ラミーリネン」の生地なら万が一雨でちょっと濡れたとしても乾きも早いからべたつきにくい。また雨の多い季節のお洗濯ものも、乾きがすこしでも早いのは助かりますよね。まさしく梅雨の季節にも最適な素材ではないかと思います。
生地の森の「ラミーリネン」の品質の秘密
一言で「ラミーリネン」といっても、生地は加工の工程や方法によって素材感や風合いは全く異なります。そこで生地の森の「ラミーリネン」の品質についてご案内します。
その1-滑らかにするひと手間
一般に「ラミー」の繊維はコシが強いため麻特有のチクチク感を感じることがあります。しかし生地の森は何度も品質改良を重ねて独自の加工を施すことにより生地の表面を滑らかにし、肌触りのいい風合を実現しました。衣料用として幅広くお使いいただくためにひとつひとつ丁寧な手間を惜しみません。
・毛焼きの工程 毛焼きを施した生地表面は極力チクチク感が抑えられてなめらかになります。 |
その2-快適な質感への追求
一般に麻は天然繊維の中でも涼しさを感じる繊維といわれますが、繊維の強度が強いためシワになりやすく粗悪なものは肌触りがチクチクとして肌の弱い方は苦手という方もいらっしゃいます。そこで、生地の森は、麻素材本来の質感を快適に感じていただくため、生機から生地にする段階で張力や圧力をかけることなく、独自の製法でゆっくりと丁寧に洗いをかけることで細かなシボ感が生れ、ナチュラルなシワ感を表現し、肌に優しい非常に柔らかな感触に仕上げております。
ラミーリネンの風合いの変化 上図 毛焼き前 同じ素材でもひと手間加えることによる風合いの変化が分かりますでしょうか。 |
生地の森オリジナル「ラミーリネン」の種類
生地の森の「ラミーリネン」の品質をお分かりいただけたでしょうか。生地の森の「ラミーリネン」は「ラミー」と「リネン」のお互いの素材感や機能性を最大限に活用し、独自のエッセンスを加えたオリジナルクオリティーです。日常の生活の中で使ってこそ、その素材の良さや魅力が発揮されることと思います。そこでさらに詳しく生地の森オリジナルの「ラミーリネン」の種類から、ジメジメとした梅雨の季節でも心地よくお使いいただけるおすすめの生地をご紹介します。
生地の森の「ラミーリネン」の種類
生地の森の「ラミーリネン」には大きく2つの種類「①混紡タイプ」と「②交織タイプ」の2通りの生地がございます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
①ラミーとリネンの混紡タイプ
混紡とは糸を作る紡績の段階で「ラミー」と「リネン」を半々ずつ溶かし込んで精紡された糸のことで、その混紡糸を使用して織り上げた素材のことです。それぞれの特長が微妙なバランスで混ざり合うことで、繊維の強度に加え丈夫でしなやかな素材に仕上がっております。この繊細な表現は日本が誇る高い紡績技術により作られた日本製麻100%混紡糸の傑作品といえます。
⇒混紡タイプの主な生地
・アンティーク風ラミーリネン(IN50083)
生地の森の人気ナンバー1。皆さまに長く愛され続けるロングセラー生地です。この生地の最大の特長は使い込むごとにゆっくりとフェイド(色落ち)して、まるでジーンズのように使い手のくせがそのまま味わいとして刻まれるような染色加工が施されております。使い初めは発色が良い生地ですがアタリや擦れが徐々にゆっくりとコントラストに現れます。ユーズドやアンティークなどがお好みの方におすすめの生地です。肉厚で麻らしい外観ですがしなやかな柔らかを持合わせ、何にでも使いやすくジャケットからパンツアイテムをはじめ、カバー類と様々な用途にお使いいただけます。通常よりも色落ちしやすいのでお洗濯の際は単独洗いしてください。
⇒⇒アンティーク風ラミーリネン 早速生地を見る
・洗いこまれたラミーリネン14番手(IN50603)
14番手の太番手のざっくりとした存在感のあると肉厚感が特長です。あえて麻の素材感をしっかりと出すために天然無垢なキナリと晒したオフホワイトの2色でアピールしております。ファッションアイテムはもちろん麻らしい粗野な雰囲気をカバーやクロスなどのインテリアファブリックとしてお使いいただいて、ナチュラルな空間演出として愉しむのも良いかと思います。天然素材の生地は直射日光に弱いためキナリやオフホワイトも天日に長時間晒していると変色の原因になります。予めご理解の程ご注意ください。
⇒洗いこまれたラミーリネン14番手 早速生地を見る
②ラミーとリネンの交織タイプ
交織とは「ラミー」と「リネン」のそれぞれの素材の糸をタテ糸とヨコ糸に使い分けて織り上げた生地のことです。それぞれの素材の性質が良いバランスで絡み合い、ハリコシをもちながら肌触りがしなやかでふっくらとした弾力性のある絶妙な風合いに仕上がっております。
⇒交織タイプの主な商品
・オリジナル麻 40番手(IN50145)
麻らしいハリこし感がありつつ、くったりとした柔らかさ、程よい光沢感と味のある染めムラ感が仕立て映えするとリピーターに大人気の素材です。染めムラ感がややヘビーなので、きれい目な生地が好みの方は最初はそのムラ感にビックリされるようですが、この染めムラが仕立て映えの肝になるとだんだんと指示されてるようになりました。生地は厚すぎず薄すぎず丁度良い厚みで、春夏に限らず1年通じてお使いいただいております。「※ダメージダイド&ウォッシュ(ddw®)」という特殊な染色加工を用いているため色によって染めムラの出方も多少異なり、製造ロットによってもばらつきます。ムラのない所が欲しいという要望にはまずお答えできませんので、ぜひムラ感をご理解の上お楽しみください。
⇒オリジナル麻40番手 早速生地を見る
「※ダメージダイド&ウォッシュ(ddw®)」は大垣株式会社及び染工場の商標登録です。
⇒詳しくはこちら「生地の森オリジナルの特徴」もどうぞ
・オリジナル麻 60番手(IN50651)
上に同じ60番手の細番手の生地になります。加工方法も「※ダメージダイド&ウォッシュ(ddw®)」を採用しております。薄手ですが程よいハリこしでサラリとすっきりとした肌触り、Tシャツの上に羽織るのも良し、素肌に1枚でTシャツのように着るのも良し、色違いで楽しむのも良いですね。上の生地同様に染めムラは通常よりもあります。ただし色の濃淡によってもムラの見え方は多少異なりますし、製造ロットによってもムラ感にばらつきがありますのでご了承ください。夏の日差しに鮮やかなピンクやオレンジもありますが、ベースはキナリから染めているのでギラギラしたような鮮やかさというよりもくすみが利いて落ち着いた色味です。普段あまり色物は着ないという方でも挑戦しやすい色味かと思いますのでぜひ試してみてください。ただし色味が思っていた色と違ったとか気に入らないといった理由でのご返品や交換はお受けしておりませんので、よろしければまずは生地サンプルからご利用いただいてお選びください。(生地サンプルは下記の商品ページ内に生地サンプルのリンクがありますので移動してください。)
⇒オリジナル麻60番手 早速生地を見る
最後までお読み頂きありがとうございます。梅雨の季節はなにかと憂鬱な気分になりがちな時期ですが、早いうちに対策をしておけば気分も違ってくると思います。あなたらしい心地よいオシャレに、ナチュラルで快適な暮らしに、ぜひ生地の森をご利用いただけますと幸いです。
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