(2021年11月19日更新)
こんにちは 生地の森です。
今年も残すところあと1ヶ月あまりとなりました。
なんだか今年は例年よりもあたたかいようにも感じますが、皆さまのところはいかがですか?
それでも朝晩の冷え込みとの寒暖差は読みづらいですし、これからが本格的な冬の寒さへと向かっていくのですね。
そんな秋から冬への季節の変わり目、ハンドメイドの皆さまも毎年この時期は生地選びに悩まれるようです。
春夏は定番的に使う生地が決まっているけれど、秋冬になるととたんに好みのリネン生地が見つからなくて、これからの時期におすすめの生地はありますか?というお問い合わせをいただきます。
たしかに、リネンの生地は、春夏だけというのは少しもったいないですよね。
なのでわたしたちは、春夏の反対になる、秋冬の季節にも、おしゃれを楽しんでいただけるリネン生地を作りたいという想いから、生地の森の「ウィンターリネン」を作りました。
深まっていく季節に、温かみを漂わせる、表情の豊かな生地の森の「ウィンターリネン」。
麻やリネンのあの何とも言えない、他では味わえない独特な素材感を、春夏だけではなく一年を通して楽しみませんか。
冬こそリネン。
生地の森には、冬こそおすすめの麻・リネン生地があります。
では、なぜ生地の森は「ウィンターリネン」と言っているのか、いったい春夏のリネン生地と何がどう違うのか、その秘密についてお話しさせていただきたいと思います。
【目次】
- 生地の森の「ウィンターリネン」とは
- 生地の森の「ウィンターリネン」の特徴
- 生地の森の「ウィンターリネン」の主な種類
- 生地の森「ウィンターリネン」早見表
- 生地の森の「ウィンターリネン」の注意点
- 生地の森の「ウィンターリネン」の取り扱いについて
生地の森の「 ウィンターリネン 」とは
秋冬にふさわしい季節感が出せる生地とは、どういうものなのか。それはまず生地の「表情」にヒミツがあります。
生地は織り方によって質感や表情感が異なります。例えば生地の織り方で比較すると、平織りと綾織りでは生地の光沢感や揺らぎ方など表情が豊か現れます。
一般に平織りの生地は揺らぎが少なく生地にハリがありしっかりと仕上がります。しかし綾織りの生地は素材本来の質感が出やすく生地表面にも揺らぎが生まれ、落ち感のよい滑らかな風合いに仕上がります。
平織りの生地はさらっとした質感でカジュアルな印象に、綾織りの生地は滑らかでソフトな質感から自然なぬくもりを感じさせ上品な印象を漂わせてくれます。
平織りのリネン | 綾織りのリネン |
質感や風合いの違いでアイテムやデザインによって使い分けてみるのもよいですね。
綾織りの代表的な生地
とろんと落ち感がよく、自然なシワとムラ感とが相まって、古着風な素朴なぬくもりを漂わせる素材感です。
2つ目が、一般的なフラットな生地と、生地の森のオリジナルのリネンとの生地の表面感による違いです。
まず、左のフラットな生地は、シルケット加工という、綿や麻などの天然繊維の織物を、強力に引っ張った状態で化学薬品に浸すことで、寸法安定性、染色性などを高める加工をほどこし、フラットに仕上げてあります。
このシルケット加工は、確かにツラはきれいにフラットになりますが、生地の表面にシワやムラがなくなる分、無表情で冷たい印象になってしまいます。
右は、シルケット加工をしていない、生地の森のオリジナル生地になります。
表情の違いが分かりますか?
あえて天然繊維(綿や麻リネン)の糸本来の味や生地の自然な表面感(凹凸)を活かし、自然なシワやムラ感があることで、豊かな表情と趣きを生み出し、素朴なぬくもりを漂わせます。
一般的なシルケット加工を行った フラットなリネン | シルケット加工を行わない 生地の森のオリジナルリネン |
素朴な表情を漂わせる生地
適度な落ち感と素材本来の光沢感が生まれ、ふっくらとしたしなやかな柔らかみのある風合いに仕上げました。
くすみを効せた色合いが、素材の味わいを引き立たせ、使い始めから、
ナチュラルな趣きを感じていただけると思います。
生地の森の「ウィンターリネン」の特徴
このように、生地の森が冬こそおすすめする「ウィンターリネン」とは、秋冬の季節感を漂わせる繊細な表情だったり、触りたくなるような風合いの質感を表現しているのです。
生地の森の「ウィンターリネン」の3つの特徴はこちら
特徴その①・温かみのある質感と表情
特徴その②・滑らかさや落ち感の良さ
特徴その③・触り心地のやわらかさ
おしゃれが一段と楽しめる秋冬の季節には
表情が豊かで、なめらかで肌馴染みよく、見た目にもふっくらと、
ぬくもりを感じさせる質感の生地をお試しいただくのはいかがでしょう。
もっと詳しく「冬のおすすめ生地」特集はこちら
生地の森の「ウィンターリネン」の種類
次に生地の森の「ウィンターリネン」の主な種類についてご紹介いたします。
秋冬の季節こそ、素材感で差が出る、おしゃれ見えを楽しんでみませんか。
・リネンにウールを混合した「リネンウール」
「リネンウール」とは、麻にほんのりウールをブレンドすることで生まれた生地の森のオリジナル素材です。
生地表面にうっすら霜降りがかった毛羽感が、温かみのある表情を引き立たせています。
代表的な生地
初代のリネンウール。
25番手の糸の綾織物で中肉厚。
ふっくらとしたやわらかな弾力感で、触り心地がなめらかな風合いです。
コートやジャケットなどのアウターや、ボトムス、パンツなどに最適。
・生地の表面に起毛をかけ、毛羽立たせた 「リネン起毛」
生地表面に起毛加工を施し、繊維を毛羽立たせることで、ソフトな肌触りに仕上げました。
代表的な生地
中肉厚な綾織りのとろみの良い生地をさらに起毛して、 リネンと言われなければ分からないほど、まるでウールのような上質感の仕上がりです。
ジャケットや、チュニック、ワンピース、ボトムスと さまざまなアイテムに。
・滑らかな手触りよく柔らかく仕上げた生地 「綾織りリネン」
綾織りにすることで、麻特有のツヤも生まれ表情も豊かに、
とろみの良いなめらかな風合いに。
表情の豊かな素材感は、品よく仕上げるポイントにもなります。
秋~冬~春と、普段と違った場面でのおめかし着にもおすすめです。
代表的な生地
2020~2021の最新作
中薄地タイプですが、しっとりとしたとろみ感が、まさに秋冬シーズンに合います。
生地の森「ウインターリネン」早見表
最後に生地の森の生地は、名前が似ていて分かりづらいという方に、ウィンターリネンを表にしてみました。
秋冬シーズンだからと言って、ただ分厚い生地だけではありません。
アウターだけではなく、インナーやボトムスと、アイテムやデザイン、用途によって、使い分けてみるのも、おしゃれ見えのポイントです。
公式オンラインストアーでは、それぞれ商品画像でクリックすると、ジャンプするので、そちらのほうがわかりやすいかと思います。
ウィンターリネンの注意点
冬でもリネンって暖かいの?
リネン生地は、実は冬でも保温性があり、温かいという方もいらっしゃいます。しかし、温かいといっても、化学繊維のフリースのような優れた保温性は期待できません。
あくまでも、柔らかみのある風合いやふっくらとした表情など、
質感の良さで、天然素材の温もりや優しさを感じていただけたら幸いです。
ウィンターリネンの取扱いについて
ウールがブレンドされていたりすると水通しが大丈夫かと、ご心配の声をいただきます。
そももそ水通しの概念も人それぞれで、
単に水通しをやらないといけないと思っている方、
各パーツ毎に生地の大きさに切って、耳端を切って、タテ糸とヨコ糸を引いて地直しをされる方、
洗濯機でガラガラと水洗いして仕立てる前に縮ませておくという方、
などなど・・・
しかし生地の森のスタッフは水通しはしていません。
それは、当社で扱う生地は、最終仕上げ加工を施しておりますので、そのまま裁断してお使いいただくことが可能だからです。
但し、天然素材の生地の特性上、水洗いによる多少の縮みが生じますので、仕立てる前に縮ませておきたい、などという目的であれば、良いかと思います。
でも実際の縮み率を測っても、目に見えるほどはございません。
水通しや、水洗いをした後、アイロンで整えていただければ、もとの寸法はキープされております。
しかしこれはあくまで生地の森のオリジナル生地に限ってのことですので、ご了承ください。
ウールの割合の低いもの(混率がウール10%~20程度)は、ご家庭での地直し(水通し)やお洗濯が可能ですが、ウールの割合が高いもの(混率がウール40%を超える場合)は、風合いを損なう恐れがございますのでお避けください。
また、風合いの保持や型崩れ防止には、ドライクリーニングをご利用いただくなど、使用用途やアイテムにより、水通しの有無、ご家庭のお洗濯の可否をお選びください。
お洗濯についてご家庭のお洗濯は、中性洗剤を使用し、おしゃれ着洗いをしてください。アイロンの温度は、中温~低温程度を目安にして、当て布をご使用ください。
高温を生地の表面に強く押し当てると、摩擦によるアタリ(白化現象)やスジをつくる原因となり、繊維を傷め、風合いを損ないかねます。表から当てる場合は、必ず当て布をご使用ください。
詳しくはこちら(ウール混の素材)もご参照ください(公式オンラインストア)
これからますます寒さが増してまいりますし、年末で忙しくなると思います。
くれぐれも風邪を召しませぬよう、ご自愛ください。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
生地の森公生地」特集を掲載させていただいております。
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