湿度が高くジメジメの季節や、洗濯物が乾きにくい季節に、タオルにおすすめリネンの生地

タオルといえば、ふんわりと肌触りの良いコットンのイメージが強いですが、近年はリネンの素材をタオルに使われる方が増えております。
そこで、リネンの素材をタオルに使う理由や、タオルにおすすめのリネン生地をご紹介したいと思います。

タオルにおすすめリネン生地

■リネンの素材をタオルに使う理由とは

「リネン」について

「リネン」とは麻の一種で、亜麻(あま)という一年草の草木類の植物の茎の靱皮から採った繊維をフラックスといい、そのフラックスで作った糸や布のことを「リネン」といいます。
リネンは麻のなかでも、一番柔らかくしなやかな性質をもっています。
麻の中には他にラミーがありますが、ラミーはわりと弾力が固く、肌にあたるとちくちくと感じやすいですが、リネンは対称的にしなやかな弾力で、肌あたりもなめらかにさらっとしています。これがリネンの生地が選ばれるポイントかと思います。

リネンの原料 フラックス


▼リネンの生地の特徴

・抜群の吸水性と速乾性
リネンの生地は繊維の構造上、水を吸い取り、乾きが早いのが特徴です。
汗や水を素早く吸収して、濡れてもすぐに乾くので、ジメジメとした季節も助かります。

・丈夫で長持ち
リネンの生地は水に濡れると、繊維の強さが一層増す性質を持っています。
なので洗濯にも強く何度も繰り返し使うことが出来ます。毎日使うものなら、丈夫で長持ちする素材は助かりますね。

・汚れがついても落ちやすい
リネンの繊維に含まれるペクチンには汚れを染み込みにくくする性質あり、天然の抗菌性があると言われています。
汚れがついても落ちやすく、繊維の毛羽が他のものに付着しにくい。衛生的に保つことが出来るので助かりますね。

・使うほど肌に馴染み、変化を楽しむリネン
リネンの生地は他の麻素材の中でも、柔らかくてしなやかな素材です。なので使い込むほどに肌に馴染んでいくので、直接肌にあてるタオルならリネンの素材が一番最適といえますね。

・通気性・保温性に優れた通年に適した素材
リネンの繊維は中が空洞に空いている構造上、汗ばむ季節は上手に水分を外に逃がしていくに加え、寒い季節は体温で暖まった空気を保ちやすい。なので一年を通じて快適さを保てる素材といえます。

以上のような特徴から、リネンの素材は、キッチン周りやバス周り、寝具などに使われる生地として、抜群の性質が備わっていることがわかりますね。

リネンワッフルの キッチンクロス

でもリネン生地といっても、種類があって、どんな生地ならタオルに向いているのか、次に、生地の森がおすすめのリネン生地をご紹介します。


■タオルにおすすめのリネン生地

▼生地の森オリジナル「リネンワッフル」

リネンワッフル1/40番手大ワッフル IN50267
リネンワッフル1/40番手大ワッフル(IN50267)

この「リネンワッフル」の生地は国内織布、繊維の街ここ浜松で織られております。
ポコポコとした凹凸の形状により、平織の生地よりも、肌あたりが柔らかいのが特長です。
さらに、職人の手によって丁寧に洗いこんで仕上げてありますので、最初からふっくらと柔らかい風合いを体感できます。

豆知識 ワッフルとは…
蜂巣織(ハチスオリ)といい、縦糸と経糸を浮かせて織る変わり織の一種で、
格子状の凹凸が蜂の巣に似ている事から蜂巣織の名がついたといわれています。
呼び名も蜂の巣(ハニカム honeycomb weave)や
ワッフルの形に似ていることからワッフル(waffle cloth)と呼ばれています。

リネンワッフルの生地は、2タイプ。 
織り方や、生地の厚みのバリエーションにより、用途やデザインに合わせてお選びいただけます。

・IN50256  リネンワッフル1/60番手

リネンワッフル1/60番手 小ワッフル  IN50256
リネンワッフル1/60番手 小ワッフル (IN50267)


薄くてもしっかりとした吸水力。分厚くないかわりに薄手で使いやすいと、布きんやハンカチなどに重宝します。
肌あたりも柔らかく、使い込むほどに肌に優しく馴染んでいきます。

・IN50267 リネンワッフル1/40番手

リネンワッフル1/40番手大ワッフル IN50267
リネンワッフル1/40番手大ワッフル(IN50267)


ふっくらとした肉厚感と、さらりとした肌触りが心地よく、バスローブ、バスタオル、フェイスタオルなどに活躍します。

ワッフル生地は織り組織の特性上、多少の収縮性があります。
水洗い(水通し)をすると目がつまり縮みが生じますので、手で伸ばして整えてお使いください。

▼生地の森オリジナル 洗い込まれたベルギーリネン

 洗いこまれたベルギーリネン IN50093
洗いこまれたベルギーリネン(IN50093 )

こちらは平織の生地になります。
生地の織組織的には、平織の生地はタテとヨコの糸が交互に織られているのでハリコシのしっかりした生地に仕上がります。
こちらの生地はもともとファッションアイテムを考えて、丁寧に洗い込みをかけて風合いを出した仕上げ方をしています。
使いはじめから柔らかさが味わえるので、ナチュラルな雰囲気のお部屋のコーディネートにもぴったりですね。

25番手、40番手、50番手と糸番手毎に厚みや風合い感はさまざまです。

洗いこまれたベルギーリネン IN50093

色々なアイテムに使い勝手が良いのは、40番手(普通地~やや薄地)
厚めがお好みの場合は、25番手。
50番手はくったりとやわらかいので、ハンカチにするのはいかがでしょう。

▼生地の森オリジナル ベルギーリネンビエラ

ベルギーリネンビエラ IN50440
ベルギーリネンビエラ IN50440

こちらの生地は綾織の生地になります。
綾織りの生地の特徴は、平織りに比べて糸の持つ性質が出やすいことにあります。
綾織りは平織りに比べてタテ、ヨコの交点が少ない分、糸の表情が出やすくしなやかで柔らかく、リネン特有の光沢感があらわれます。見た目にもしっとりとツヤのある表面感は優美で気品を感じさせます。

さらに、このベルギーリネンビエラは、限りなくベルギーリネンの糸の性質を表現するため、フラットに仕上げました。
なので使い込んで行くうちに、ますます柔らかさを増し、時間をかけて自分の肌に合った風合いに育てていくことが出来ます。

ベルギーリネンビエラ IN50440
リネン特有のつややかな表面感がベルギーリネンビエラの特長

汚れが付いても洗濯で落ちやすく、繊維が長く毛羽が他のものに付着しにくいという衛生的なリネンの特性を生かすべく、綾織りのリネン生地はホテルではテーブルクロスやナプキン、シーツにもつかわれているようです。

ケットやシーツなどには綾織りの生地がおすすめです。


最後に、生地を選ぶ際に、気を付けるポイントをまとめます。

■リネン生地を選ぶ時のポイント

タオルやシーツにリネン生地を選ぶ際、後染め(染色した色物)のリネンはお避けください。
染色した色物のリネンは、摩擦により色落ちや色移りが起こる場合があります。
タオルやケットなど、常に人の肌に触れるものは、皮膚表面の適度な湿り気は摩擦力を高め、色落ちしやすい条件が揃うと考えられます。
とくに生地の森のオリジナルの色物リネンは、ファッション性を重視して、天然素材の特性を生かすべく、あえて強力な薬品処理を行っていないため、色落ちを起こしやすい作りになっていることも事実です。

タオルやシーツなどにリネン生地を選ぶ際は、自然素材のありのままの生成(キナリ)が最適です。
それは、リネンの素材そのものだからです。リネンの素材の性質を一番に体感していただけると思います。
また、オフホワイトは、生成(キナリ)を晒して白くしています。
ただ真っ白ではありません。それはもともとリネンの生成(キナリ)は亜麻色といわれるように、やや黄味がかった色をしているからです。
白に晒すと黄味が影響し、白もやや黄味がかった色に仕上がります。

自然な生成(キナリ)、清潔感のあるオフホワイト、どちらもどちらも摩擦による色移りの心配が無いのが安心。ナチュラルな雰囲気にもぴったりですね。

ナチュラル感ただようリネン

■リネン生地の取扱いについて

左:もともとの生成(キナリ) 右:蛍光剤入液体洗剤でほぼ毎日洗濯をした生成り(キナリ)

上の写真の右側は、弊社で使っているリネンワッフルの生成り(キナリ)の生地を使ったタオルです。ご覧の通り色は白くなり、生地もやせてやや薄くなっているのがわかるでしょうか。これは蛍光剤入りの液体洗剤でほぼ毎日お洗濯をして1年の経過です。

リネンの生成り(キナリ)やオフホワイトの生地を長持ちさせるためには、蛍光剤入りや、漂白剤入りの洗剤は絶対にお避けください。
強力な洗剤を頻繁に使うと、繊維がやせる原因になります。また天然の生成り(キナリ)の色は色落ちを早めます。
また、天然素材は直射日光に弱く、劣化を早めます。 天日にさらして干すのは絶対にお避けください。
生地は最初そのままの状態では水を弾きます。使いはじめは水洗い(水通し)をおすすめします。水洗いをして使い込むごとに、徐々に吸水力が上がります。

生地の状態を良く、長持ちさせたい場合は、洗い方や干し方には充分お気を付けてください。


ここまでお読みいただきありがとうございます。
リネンの素材の特性や、生地の織りによる特徴など、タオルにおすすめのリネン生地をご紹介しました。

湿度が高くジメジメしてくると、汗もかくし、こまめに洗濯したいけど、なかなか乾かない。 寒い時期も洗濯物がなかなか乾なかなくて、困りますよね。
そんな季節こそ、リネンの生地の良さが実感出来ると思います。

よろしければぜひ、リネンの生地をあなたのライフスタイルに取り入れていただけたら幸いです。

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