リネンウールの特徴やお洗濯、
お取り扱い方法リネンは秋におかしい?リネンは冬でも使えるの?
秋~冬の季節のリネン生地「リネンウール」
リネンウールとは?リネンウールは普通に洗濯していいの?など
リネンウールの特徴やデメリット、適した洗濯方法やお手入れ方法などを解説します。
さらに、リネンウール生地の活用法やおすすめ生地のご紹介。
秋にリネンはおかしい?リネンは冬でも使えるの?と、リネン生地を秋冬に使うのを躊躇している方、
リネンウールの水通しなど、取り扱いが心配という方も必見。
秋冬のナチュラルファッションの主役になれるリネンウールにご興味がございましたら、ぜひ活用してみてください。
目次
1.リネンウールとはどんな生地?
リネンウールとは、麻(リネン・ラミー)とウールが混合された素材のことで、「リネンウール」または「ウールリネン」と言います。
麻(リネン・ラミー)にウールを混合されたリネンウールは、ふっくら味わい深い表情が、素朴なぬくもりを引き出します。
2.リネンウールの特徴やメリット
麻(リネン・ラミー)とウールは実は非常に似ている部分があり、リネンウールはそれぞれの良い特性を引き出し合い、欠点を補える理想的な相性の素材と言えます。
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特徴その1保温性に優れる
麻(リネン・ラミー)は繊維の構造上、中が空洞になっており、あたたかい空気を溜め込むことで、体温で温められた空気を保持する保温性を兼ね備え、またウールも繊維が多層構造となっており、熱を外に逃がさない抜群の保温性を誇っているので、リネンウールはより温かみが増した保温性に優れた素材と言えます。
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特徴その2吸水、吸放湿、発散、速乾性に優れる
麻(リネン・ラミー)は、他の天然繊維と比べ、吸水性や発散性に優れ、水を含んでも乾きやすい速乾性に優れた性質を持っております。またウールは、蒸れてくると湿気を吸い込み、乾燥してくると湿気を放出してくれる吸放湿性に優れております。
リネンウールは、その双方の特性を活かし、吸水、吸放湿、発散、速乾性に優れた素材と言えます。
水分を吸収して蒸れにくく発散することで、カビや雑菌の増殖を抑えますので、日照時間が短く洗濯物が乾きにくくなる秋から冬の季節には乾きやすく最適な素材です。 -
特徴その3汚れがつきにくい
麻(リネン・ラミー)の繊維に含まれるペクチンには、汚れを染み込みにくくする性質があるため、繊維自体に天然の抗菌性があると言われています。またウールも繊維の周りがエピキューティクルという薄い膜で纏われ、チリやホコリを寄せ付けにくく、リネンウールは、その双方の特性を活かし、汚れが付着しにくく衛生的にお使いいただけます。
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特徴その4しわになりにくい
ウールは弾力性と反発性があり、しわになりにくい特徴があります。しわになりやすい麻(リネン・ラミー)の性質を補ってくれるので、リネンウールは、リネンよりもしわになりにくく、ふっくらと弾力があり、程よい柔らかさが生まれます。
万が一気になるしわが付いてしまった場合は、霧吹きやスチームアイロンなど湿気を含ませて手でしわを伸ばしましょう。 -
特徴その5静電気が発生しにくい
リネンウールのウールと聞くと静電気が発生しやすいと思われがちですが、実は麻(リネン・ラミー)の天然素材同様に、ウールの天然素材も、ポリエステルやアクリルなどの合成繊維と比べると静電気が起こりにくい素材なんです。
冬場は重ね着が多く、素材と素材の組み合わせによって静電気が起きてしまうことがあるので誤解されがちですが、リネンウールと着合わせるときは、綿や麻(リネン・ラミー)などの天然素材同士で組み合わせれば安心です。 -
特徴その6毛玉になりにくい
リネンウールと聞くとウールが入っているから毛玉になりやすいと思われがちですが、麻(リネン・ラミー)の繊維は耐久性に優れており毛玉ができにくい素材です。またウールも実はアクリルやポリエステルの合成繊維に比べて毛玉になりにくい素材なんです。
毛玉は、着用の繰り返しの摩擦や、洗濯時の摩擦によって生じる現象です。生地の表面が摩擦などの作用を受け、繊維の先端が毛羽となり、それらが束を作り絡み合って毛玉を生みだしますが、ウールは比較的強度の低い繊維だけに毛玉ができても自然に脱落する作用があるのです。逆にアクリルやポリエステルといった合成繊維は、強い繊維であるが故にしっかり表面に毛玉が留まってしまいます。
リネンウールの生地は、日常の着用やお洗濯に気を付けていれば毛玉ができにくい素材と言えます。
3.リネンウールのデメリットや注意点
リネンウールには多くのメリットがありますがデメリットもあります。しかし適切なお手入れ方法を理解しておけば、秋~冬~春までロングシーズンで着られる頼もしい味方です。3つのポイントをぜひ覚えておきましょう。
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デメリットその1水分による影響を受けやすい
ウールは水に濡れただけでは縮むことはありませんが、水に濡れたまま揉み洗いなどをして、繊維同士が絡んでしまうと、フェルト化が進んで風合いを損ないます。リネンウールは麻(リネン・ラミー)とウールの混率が少なくても程よい毛羽感やふっくらとしたウォーム感を保つために、適切なお洗濯方法が大切です。
まず、洗濯に使う水温が高いこともウールの風合いが逃げる原因に繋がるので、30℃以下の常温の水を使用してください。
洗濯はなるべく少量か単独洗いにし、洗濯時間も短めに、できれば10分ぐらいで完了できるように、水の影響を最小限にすることを心がけましょう。
軽くたたんでネットに入れ、洗剤は必ず中性洗剤を使用し、「ドライコース」や「ソフトコース」「手洗いコース」など、弱水流で素材に負担をかけないコースを選ぶのもおすすめです。また、仕上げに柔軟剤を使用すると、油の膜で繊維をコーティングすることで、表面を柔らかくし、ふっくらとした仕上がりになります。 -
デメリットその2洗濯で縮みやすく、しわができやすい
リネンウールは、水を吸収し膨張した糸が乾燥の際に縮む性質があります。この性質によりしわができやすくなりますが、適切な方法で洗濯すればしわを軽減することが可能です。
ここでも洗濯はなるべく少量か単独洗いにし、短い時間で行いましょう。長時間の脱水は余計なしわが付く原因となります。また脱水後濡れた状態のままの放置も余分なしわが付く原因になりますので、速やかに取り出してください。干す前にはしわを取るように平らにして軽く叩きながら伸ばすのも大切です。 -
デメリットその3直射日光に弱い
リネンウールなどの天然素材の生地は、直射日光に弱く、変色や色落ちの原因となるため注意が必要です。干す際は直射日光を避けて、風通しの良いところで陰干しにしてください。
4.リネンウールって水通ししていいの?
リネンウールって水通ししても大丈夫?普通に水通ししてよいのかと心配に思いますよね。
ウールは水の影響を受けやすい素材ですので、ウールの風合いを損なわないようにするには、水通しの概念や、適切な方法を選ぶことも大切です。
「水通し」って何?
水通しは何のためにするの?
「水通し」とは、洋服を仕立てる裁断の前に、生地の地の目の歪みを整える地直し方法の1つとなります。
「水通し」は生地を浸水し、生地全体に水を行きわたらせて、濡れた状態の生地を平らに伸ばして半乾きした状態から、タテ糸とヨコ糸が垂直に地の目が揃うように生地を引っ張りながらアイロンで歪みを整えていきます。
また「水通し」には地直しの他にも、生地の縮みを落ち着かせたり、気になる匂いやほこり、汚れを落としたり、余分な染料を洗い落とすなどの役割りで行われる場合もあります。
「水通し」は、水に濡れても影響がない素材に限ります。主に天然繊維の綿や麻(リネン・ラミー)の素材は適しています。どちらも水に濡れると多少の縮み(約1%~3%程度)は生じる特性がありますので、事前に生地の縮みを落ち着かせるのには最適ですね。
では、リネンウールやウールリネンはどうなのでしょうか?ウールは水分による影響を受けやすい素材ですので、リネンウールは水通しが可能なのか、水通しでどのように変化するのかを実際の検証結果からリネンウールに最適な水通しのポイントや避けるべきポイントをご紹介します。
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水通し前と後の比較
予め30分程度の短めの時間浸水させた後、乾いたタオルで手で押さえながら水気を拭き取って、生地を平らに広てげて、陰干しし、半乾きした状態から裏からスチームアイロンを当て整えております。
IN50512洗いこまれた綾織りリネンウール
(混率ラミーリネン90% ウール10%)水通し前 水通し後 タテ幅 49.5cm 49.0cm ヨコ幅 57.0cm 57.0cm 縮みは、縦方向に-0.5cm生じました。生地の風合いは、水通しする前の方がふんわりとした柔らかさがありましたが、水通し後は若干硬くなった感じがしました。
地の目を整える目的で水通しをされるのであれば、風合いに多少の変化が生じることを予めご了承の上で行ってください。 -
【リネンウールを水通しする際の注意点】
お仕立て後の縮みが気になる、生地の縮みを落ち着かせたい場合は、リネンウールが水の影響を受けやすいことをご了承の上、以下の注意点に気を付けてください。
- ・常温の水以外は使用しないでください。熱いお湯は、ウールの風合いを損ないますので絶対に使用しないでください。
- ・浸水はたっぷりの水を使用し、浸水時間はなるべく短めに、生地全体に水が行きわたりましたら、10分~20分程度でも十分です。
一晩中水に浸けるなど長時間の浸水はお避けください。 - ・濡れた状態の生地を手で強く捻じって絞らないようにしてください。
乾いたタオルにくるんで手で押しながらタオルドライして余分な水気を取って、速やかに広げて、平らにした状態で直射日光に当たらないように陰干ししてください。 - ・アイロンは、生地の水気を取って半乾きの状態にしてから当ててください。くれぐれも濡れた状態のまま、高温のアイロンを強く押し当てないように、ご注意ください。
尚、どうしても水通し後に脱水機を使いたい場合は、脱水機は10秒程度に短くして、速やかに平らに広げてください。
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【リネンウールを地直しするポイント】中温程度のスチームアイロンを使用
リネンウールを地直しする場合は、ヨコ糸を一本程度引いて目印を作り、タテの地の目とヨコの地の目が垂直になるように、手で生地の歪みを揃えるように引っ張りながら、中温のスチームアイロンで整えてください。
また、生地に強いしわが目立つ場合は、生地全体に霧吹きをかけて湿らせて、中温のドライ設定のアイロンでしわを伸ばして整えるのもおすすめです。
生地の耳端だけテンションが強く、歪みが取れにくい場合は、生地の耳端を裁断してから、地直しすることをおすすめします。
斜行が強い生地や、落ち感のある生地などは、地直しした後に、タテ向きに吊るして、生地のクセを確認しておくこともポイントです。
5.リネンウールの洗濯方法や
お手入れについて
お気に入りのリネンウールの生地で作ったお洋服をいつまでも風合いを損なわないようにするためには、適切なお手入れ方法や洗濯方法、そして日頃のケアを実践することが大切です。
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洗濯の前と後の比較
異なるデザインの洋服を使い、実際に洗濯して、洗濯前と後がどのように変化したのか検証結果をまとめました。
(※2つの洋服は、どちらも水通しをしないで裁断、縫製して仕立てたものです。)-
洗濯前 洗濯後 着丈 61.0cm 60.0cm 肩幅 55.0cm 55.0cm 【結果】
着丈…−1cm
肩幅…±0cm
洗濯前と後で着丈-1cm、肩幅±0、タテ方向に約1.6%の縮みが生じました。風合いはふっくら感が少し落ちて、若干固くなりました。 -
洗濯前 洗濯後 着丈 97.0cm 98.0cm 肩幅 61.5cm 61.5cm 【結果】
着丈…+1cm
肩幅…±0cm
洗濯前と後で着丈+1cm、肩幅±0、着丈が伸びたのは、湿った重みで伸ばされたと思われます。
以上の検証結果から、洗濯により縦方向に縮みが生じますが、干す際に手でしっかり平らに伸ばしていただくことで、軽減されることが分かりました。
風合いはふっくら感が若干なくなり、固くきしんだような風合いに変化したので、柔軟剤で仕上げることをおすすめいたします。 -
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洗濯のポイント
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洗濯洗剤を使い分ける
リネンウールには中性の液体洗剤がおすすめです。中性の液体洗剤は、弱アルカリ性の粉末洗剤に比べると洗浄力は劣りますが、優しく洗濯することができるため、生地を傷めず汚れを落とすことができます。
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洗濯ネットを使う
洗濯ネットには、衣類同士の摩擦を軽減し、毛玉・毛羽立ちの予防や型くずれを防止する効果があります。洗濯ネットを使う際は、1枚の洗濯ネットに1着入れるのが原則です。軽くたたんだ衣類と同じ大きさの洗濯ネットを選びましょう。
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柔軟剤を使う
仕上げに柔軟剤を使用すると、油の膜で繊維をコーティングすることで、表面を柔らかくしふっくらとした仕上がりになります。
タンブラー乾燥はNG。乾燥機で濡れた状態から急激に乾燥させると、摩擦による毛羽立ちはもちろん、しわが付き型崩れを招きますので絶対にお避けください。
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干し方のポイント
脱水後は速やかに形を整えて陰干し
リネンウールなどの天然素材の生地は、適切な干し方を知ることも大切です。
濡れたまま放置すると縮んだ繊維がそのままになり、しわの原因になります。脱水後は速やかに干しましょう。
縦・横方向に引っ張り、形を整えてから干すと縮みやしわを防ぐことができます。ジャケットやコートなどの重衣料は厚みのあるハンガーで形を整えるのもポイントです。
また直射日光で長時間干すと変色や色落ちの原因となるため、風通しの良いところに陰干し、もしくは部屋干しするのがおすすめです。 -
アイロンのかけ方のポイント
中温程度のスチームアイロンでふっくら
リネンウールは、中温程度がおすすめです。高温のアイロンを強く押し当てると白化(白くテカる)やアタリが付いて繊維を傷つける原因になりますので、スチームを使いながらアイロンを浮かすように軽く当てるとふっくらと仕上がります。しっかりと当てたい部分は、裏から当てるか、あて布を使ってください。
またアイロンをかけた後は熱が冷めるまで時間を置いてください。すぐに畳むと畳みしわが付きますので、しわが気になるものはハンガーに掛けて収納することをおすすめします。 -
日頃のケアのポイント
洋服ブラシを活用
リネンウールのお洋服を着用したら、その日のうちに軽くブラシをかける習慣を取り入れることをおすすめします。
生地に付着したほこりやゴミを除去し、生地の風合いを維持してくれます。またブラッシングしておくと毛羽立ちや毛玉になることを防ぐことが出来ます。
お気に入りのハンドメイドのお洋服を大切に着続けたいのなら、洋服ブラシで日々のケアを心がけましょう。 -
日頃のケアのポイント
いくら中性洗剤を使い、やさしく洗っても、同じ洋服を着続けたり、洗う頻度が多いと、生地はどんどん傷んでしまいます。タオルや下着のように毎日替えるものと違い、重ね着など肌に直接当たらない衣類なら、月に1回~2回、2週間~3週間に1回程度に留めておくのも風合いを長持ちさせるポイントです。
ハンドメイドしたお気に入りのお洋服は、色違いや、着回しのコーディネートを何パターンか作ってみたりと、アイテム数を増やすことで1着のお洗濯頻度を減らして、休息を与えることもおすすめです。
6.秋にリネンはおかしい?
リネンは冬でも使えるの?
秋冬に
おすすめ、リネンウールで何作る?
味わい深いぬくもりの生地の森のリネンウール
生地の森のリネンウールは、天然素材の持ち味を最大限に引き出す独自製法により、わずか10%程度のウールの混率でも、ウール感を逃さず素材の味を引き出していきます。
それにより麻(リネン・ラミー)とウールそれぞれの繊維の染料の入る速度の違いを活かし、染め面に抑揚感を生ませ、ウール特有の毛羽感がしっかりと生地表面に出ることで、色に奥行きを出し、ふっくらとした味わい深いぬくもりを一層引き立たせ、秋冬の季節感を演出します。
生地の森のリネンウールの生地は、厚手の生地から薄手の生地、しっかりとした質感の生地から、落ち感のよい柔らかい生地と、さまざまな種類を取り揃えております。
ジャケットやコート、シャツやブラウス、スカートやパンツ、ワンピース、ストール、マフラー、バッグ、帽子、ファッション雑貨、エプロン、パジャマ、寝具、カフェカーテン、生活雑貨など、デザインやアイデア次第で幅広くご利用いただけます。
「秋にリネンはおかしい…?」「リネンは冬でも使えるの…?」とお感じになられておりましたら、生地の森のリネンウールを使って、あなただけのお気に入りの秋冬の装いをハンドメイドして楽しんでみませんか?
7.リネンウールのおすすめ生地3選
生地の森のリネンウールの生地は、平織り、綾織りなどの織り方、糸の太さや綿密度、リネンとウールの配合、
さらには染色などの加工方法など、組み合わせを変えながら、さまざまな風合いの生地を作ってご用意しております。
ここではその中から厳選したおすすめのリネンウールの生地をご紹介します。
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IN50512 綾織りラミーリネンウール25番手
日本の高い紡績技術で作られた混紡糸を使用し、国内で織布・加工された日本製のリネンウール生地。滑らかな起毛感のふっくら肉厚な落ち感が、秋冬素材の風格を漂わせます。
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IN50561 綾織りベルギーリネンウールビエラ40番手
良質な40番手のリネン糸とラミーリネンウールの混紡糸を使用。ナチュラルダイド加工を施し、微起毛感のあるふっくらと滑らかな、落ち感の良い風合いに。上品でぬくもりのある豊かな印象を漂わせます。
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IN50715 平織りベルギーリネンウール60番手
リネン、ラミー、ウール混の素材の持ち味を最大限に活かすナチュラルダイド加工で、ふっくらとソフトな軽い風合いに仕上げたリネンウールは、寒い季節に陽だまりのようなぬくもりを感じさせてくれます。
8.まとめ
ふっくらとした味わい深いぬくもりで、ファッション性に富んだ季節感あふれるリネンウール。メリットだけでなく、デメリットも知ったうえで適切なお手入れ方法を知っておけば、長く愛用することが可能です。
生地の森のリネンウールは、天然素材の味と雰囲気のある風合いや質感に自信があります。
秋や冬にリネン生地を使っておかしくない?
生地の森の「リネンウール」は、秋や冬のシーンにも身にまとう人の魅力とセンスを引き立てます。
ぜひあなたのお気に入りを見つけてくださいね。